ルカ・ニケット
LCDCのキャラクターは、デザイナーのルカ・ニケットの現代的なビジョンによって誕生しました。ルネッサンス時代の雰囲気とジノリ1735の伝統的な造形を完璧に融合させたこのコレクションは、ひとつのデザインからフォルムを研究・開発することで、記憶と革新の調和を実現し、究極のクラフトマンシップを特徴としています。
ルカ・ニケットは、LCDCコレクションを制作するにあたり、ジノリ1735 の工房に古くから保存されている彫像を原型に、メキシコのプロレス「ルチャ・リブレ」で用いられるマスク、ジャン= ポール・グードのイラスト、グラフィティアートから着想を得ました。彼のデザイナーとしてのビジョンが反映された、それぞれのキャラクターの彫像のような顔がコレクションのメインとなっています。原型となった彫像の古典的な趣と精密なラインがひとつになったデザインによって、ミステリアスでアイコニックな顔、彫刻的な形状に仕上がっています。これらのモチーフの持つアートの錬金術とでも呼ぶべき力が、フレグランスの材料を思わせる香りと美しい色彩を巧みに融合させます。それは、さまざまな場所や時代へと誘う、フィレンツェからパリへの象徴的な感覚の旅です。
“LCDC is a tribute to the characters we imagine would have formed the court of Caterina De’ Medici - they are astounding, disruptive and unconventional elements, but also offer a utopian vision of the present, in which everyone is on fire for an ideal.”
LUCA NICHETTO
LUCA NICHETTO （ルカ・ニケット）
ルカ・ニケットは1976 年、ヴェネツィアで生まれました。この地で彼は、家族が職人として携わっていたムラノの有名なガラス産業から芸術的な刺激を受け、自身もガラス工芸に携わるようになりました。ニケットは既に学生時代、休暇中に自分のデザインを地元の工場に売り込むことでキャリアをスタートさせています。ヴェネツィアの美術学校で学んだ後、1998 年に工業デザインの学位を取得してヴェネツィア建築大学（IUAV ヴェネツィア大学）を卒業しました。翌年、ムラノの有名なガラス工房サルヴィアーティに入社し、その後は照明器具を扱う会社フォスカリーニでプロダクトデザイナー、コンサルタントとして活躍しました。2006 年、ヴェネツィアに自身のスタジオである「ニケットスタジオ」を立ち上げ、2011 年には、スウェーデンのストックホルに移って2 番目となるスタジオを開設し、独自のイタリアンデザインと、スウェーデンの現代的でサステナビリティに配慮したスタイルを融合させた作品を生み出しています。ニケットはキャリアを積み重ねる中、長年にわたって数々の国際的なブランドのアートディレクターとして活動し、デザインの専門知識を養ってきました。またIUAV のデザイン学部の教授をはじめ、さまざまな大学で教鞭を執り、ワークショップを主催し、各種の国際的なデザインコンペで審査員も務めています。ニケットの作品は、世界中の名だたる展示会で展示され、ロンドン、ニューヨーク、北京といった大都市での回顧展でも紹介されています。一般的な工業製品、家具、アクセサリーから建築、展示会のデザイン、ブランディングに至る、極めて洗練された革新的なデザインで、複数の国際的な賞を獲得しています。